今日のお言葉5
「不思議に思うのは、これらが起こったことではなく、この映画なら前にも見ており、最後は列車転覆の大事故だったと指摘する人がほとんどいなかったことだ。
カリフォルニアのゴールド・ラッシュであれ、1920年代の製造業のやみくもな拡大であれ、60年代の複合企業ブームであれ、80年代のLBO熱であれ、この素晴らしく自由な経済体制ではときおり、熱狂と投機が暴走する。
この映画は、多数の善人とひとりの悪党という構図にはなっていない。
全員が悪役なのだ。
起業家は実現するはずのない夢を売り込む。企業経営幹部は貪欲になる。商業銀行は与信の基本原則を忘れる。政治家は産業界の新しい巨人にすりよる。経済関係のマスコミは広告収入の増加に大喜びし、興奮が続くように提灯記事を書き続ける。
パンチ・ボウルの飲み物にほとんど全員がありついたわけだが、パーティを準備し、アルコールを用意したものがいるはずだ。
いま法廷に引き立てられている公認会計士や規制当局者、企業経営者は終わったばかりの大々的なお祭り騒ぎを仕組めるとはとても考えられない人たちだ」